CCI FRANCE JAPON

ア・ら・カルト

ア・ラ・カルト 日本のレストランに欠けていたものとは? ――それは福利厚生食事券(チケットレストラン)

出来事  | 

日本にうってつけのチケット
フランス人なら誰でも知っている、「福利厚生食事券(チケットレストラン)」。このシステムが日本で紹介・導入されたのは80年代のことで、当時はまだフランスでしか知られていなかった。利用者の間で口コミで評判が広まり、次第に利用者が増えた。現在、この食事券を従業員に配布している企業は1000社を超え、合計で15万人が日常的に使用している。またチケットを利用できる日本国内のレストランやコンビニなどの加盟店は50,000ヵ所に上る。とはいえ、日本における食事券の認知度はまだ控え目で、日本国内における食事券の発行元バークレーヴァウチャーズ(エデンレッドジャパン)の代表ローラン・ガシェ氏は、こうした状況を何とか変えていきたいと考えている。「(日本の)人口はフランスの2倍で、レストラン数は実にフランスの4倍に相当する75万軒もあるんです」。独自の経済・税制モデルを利用して雇用主が社員に対し昼食代の一部を援助するという福利厚生食事券のシステムは、世界各国の雇用者や社員の目に魅力的に映るはずだ。現金を支給するよりも企業側の経済的負担が軽く、社員の購買力アップにもつながることに加え、社内食堂を作らなくても昼休みに社員間のコミュニケーションが促されるというメリットもある。この食事券を使えば、毎日の食事もマンネリ化しにくい。フランスでは、今やこの食事券はバゲットパンと同じくらい不可欠なものになっているという。

日本式に
しかし、よく考えてみるとこの制度は、日本にぴったりのシステムだ。「日本のサラリーマンはレストランでランチをとることがごく当たり前で、潜在的な市場は極めて大きい」とガシェ氏は語る。日本企業は、コストダウンの必要性と同時に、強い売り手市場で優秀な新入社員を採用するために自社の魅力度アップにも努めねばならないという、いわば板挟みのような状況にある。食事券のシステムは、そんな企業の要望にも応えるものだ。平均500円から700円(新生銀行の年次調査によると、サラリーマンの平均的な昼食代は1日あたり601円)程度と言われる昼食代を考慮すると、食事券は多くの日本人の予算に見合うものとなっている。
エデンレッドジャパンは、家庭的で御手頃で食堂からコンビニ、大手チェーンまで、ジャンルでは天ぷら屋やカレー屋から弁当屋まで日本国内のあらゆる飲食施設にて同社の食事券システムが使えるようネットワークを拡大している。

次なるステージ
2016年4月、エデンレッドジャパンは今後の成長のカギを握る重要なステップに進む。フランスで既に使用されている電子決済サービス「Ticket Restaurant® Touch」を日本で導入する。これによりチケットレストランの利用者は、NTTドコモの電子マネー「iD」のシステムを利用し、電子カードで食事代を支払うことが可能になる。また携帯端末のアプリを使えば、食事券が使える近場の店舗を検索することができ、リアルタイムで電子カードの残額を確認することも可能になる。この電子カードの導入で、企業側の管理が大幅に簡略化され、便利になる。この新しい利用方法のおかげで、より早く「チケットレストラン」が日本全国に浸透することが期待されている。この電子カードとアプリは「チケットレストラン」の発明者の変わらぬイノベーション精神を体現するものだ。食事券システムという提案は、極めてフランス的でありながら広く国際化し、今や世界42ヵ国に普及している。それでは皆さん、「ボナペティ!」

FJE-146